さて今日はLCC(ローコストキャリア)の「覚悟」について書いてみます。
LCCはあらゆるコストを削減して安い航空運賃を提供できるのですが、果たして日本生まれのこの航空会社がどこまで覚悟をされておられるのか。
それはとりもなおさず「お客様は神様式サービス」が当たり前と思っている日本人の乗客をどこまで見下せるかにかかっているような気がするのです。
世界中のLCC界では明らかに LCC会社>乗客 という不等式が存在しています。
これを守れなければLCCは存在できません。
へたに乗客に媚びをうったり、甘えさせたりしては成り立たないのがLCCなのです。
私がバンコクでLCCを利用しようとした時、ちょっと大きめの手荷物を持った人は搭乗口の前で呼び止められ計量されていました。
問題はその態度です。決して日本の航空会社のように優しいものではなく不審者を取り締まる警察官のような厳しさがありました。
有無を言わさず計量器の前に連れていき、少しでも重量がオーバーしていると搭乗口の前ですらお金を徴収されるのです。
それに対して乗客はいとも素直に応じるのがLCCに乗るための心構えなのです。
最近出版された「格安エアラインLCCで飛ぼう」という本のなかで、旅行作家の下川裕治さんはこんな体験を載せています。
カップ麺を機内に持ち込んでCAからお湯をもらおうとした乗客がいたそうです。
しかし、CAは機内で販売したカップ麺にしかお湯をサービスできないとして断固これを拒否しました。
しばらくもめた後、乗客は諦めてカップ麺を購入し食べたそうです。
アイルランドのライアンエアは機内のトイレを有料にすると言って物議を醸しました。
春秋航空は立ち席シートの研究をしています。
つまり、これだけ安いんだから乗る人はあらゆることを我慢をしなければならない。あなた方はどんな扱いをされようと文句を言えないんですよ。
それがLCCに乗るための掟なのです。
でも、それに慣れると今度はどれだけ虐げられるのかという楽しみさえ生じてきます。
もしかして会社は人間に備わっている自虐的要素を見抜いているのかも知れません。
利用した乗客から「俺はこんな目にあったぜ」とか「いや俺の方がもっとひどかった」などという体験談がネットに寄せられ話題になればしめた物です。それこそLCCの勲章みたいなものです。
それでは私も体験してみようかなどと「修行」と称して乗り込む人も必ず出てきます。
さて、日本のピーチですがどうしてこんな優しい名前を付けてしまったのでしょうか。
同じフルーツなら「ドリアン」とでもすれば良かったのではと思います。
もし本当にLCCでやっていこうと思うのなら、チェックインカウンターでも日本式のお客様は神様みたいな対応など必要ありません。
できれば中国国有鉄道の窓口で働いていた人でも採用したらどうでしょうか。
彼らなら人民を虫けらのように扱うことに慣れているはずです。
日本語は一言覚えれば済みます。「そんなこと私にはわからないよ」
もちろん激高したお客に「上司を呼べ」などと言われても応じる必要はありません。高々数千円の運賃で乗せてやっているのですから。
「それがイヤならどうぞよその航空会社を利用してください。」と言いきってもいいでしょう。
事故以外のことでは上司がテレビカメラの前に出てきて謝ったりしないことです。
そんなショック療法がLCCに慣れていない日本人には必要ではないかとおもいます。
忘れてはならないのはLCCにとってはCAのスマイルさえタダではないということです。
それはあくまで機内販売を利用した乗客のためのもので、笑顔を向けてもらいたかったら機内販売を利用しなさい。ということなのです。
その位の覚悟と厳しさで余計なサービスを切り捨ててこそ初めてLCCは成り立つのです。
過去にも国内でLCCを目指した会社はありましたが、いずれも日本式のサービスを捨てきれずに中途半端な形で失敗に終わってしまいました。
そんなことからピーチには何とか格安航空会社として存続してもらいたいと思っています。
先駆者として大変でしょうが、ぜひお客さんに迎合しない真のLCC第1号となって欲しいものです。
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